簪(かんざし)は、伝統的な日本の理髪・結髪で用いられる女性用の髪装飾、装飾具だ。「垂髪(たれかみ)」と呼ばれる真直で長い髪から「日本髪(にほんがみ)」と呼ばれる様々な髪形へと結髪する際に、先ず簪が用いられる。
簪は江戸期間に幅広い用途で用いられるようになり、専門の職人がより美しく精巧に制作された製品を生産し始めたのも江戸期。緊急時には防禦のために用いられたとも伝えられる。
近代では和服を着用する機会のある花嫁や「プロの着物着用者」(芸者や芸妓、遊女などを指す)など、女性が日本髪を結う場合に頻用されるが、近年に入り簪の持つエレガントなタッチをビジネススーツに加えようとするなど若い日本女性の間で再び脚光を浴びつつある。
江戸時代初期の簪は現存しているものが品質、材質共に貴重なものであるため、その稀少価値ゆえコレクターズアイテムになっている。
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